闇を進み鎮座 京都から分霊、厳かに 菅原道真祭る天満神社

2025.11.25
丹波市地域地域歴史注目

ご神体を運ぶ列。最後尾で白い幕に覆われているのがご神体=2025年11月24日午後5時25分、兵庫県丹波市青垣町東芦田で

学業の神様としても知られる菅原道真を御祭神として境内社に祭るため、兵庫県丹波市青垣町東芦田の高座神社(梅只敏幸宮司)で24日、「鎮座祭」が営まれた。京都府与謝野郡与謝野町の天満神社(近江眞勝宮司)からの分霊が、高座神社の拝殿横の社殿に鎮座するための神事。多くの氏子崇敬者らが参拝し、午後5時過ぎに始まった神事は、境内の明かりが消され、暗く厳かな雰囲気の中、伊勢神宮で催行される式年遷宮のように、総代らがご神体を白い幕で囲い、社務所から社殿まで運んだ。梅只宮司(80)による祝詞奏上や玉ぐし奉納などがあったほか、鎮座を祝って舞楽の奉納演奏などもあった。

拝殿横にある、江戸期建立の鐘撞堂だった建物に鎮座した。同じ社殿に、金刀比羅神社と猿田彦神社もある。

ご神体を移す神事は、裃を身にまとった筆頭総代を先頭に出発。筆頭総代は煌々と燃える松明を手にゆっくりと歩き、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)などを奏でる楽隊らが続いた。列の最後で、総代らが白い布で囲ったご神体を社殿まで運んだ。

菅原道真を境内社に祭るために営まれた鎮座祭

数年前、石清水八幡宮などであった神職の研修会に参加した高座神社の梅只昌弘禰宜(ねぎ)(48)が、加悦天満神社の近江宮司と懇意になったことが縁。初詣や厄除祭など、高座神社の参拝者には子どもたちも多く、学業の神としても知られる菅原道真を御祭神として祭りたい旨を近江宮司に相談し、快諾を得た。

梅只宮司は「学業成就はもとより、菅原道真公の本来の御神徳である疫病退散、災害除けなど、私たちの生活の中にお恵みをいただける大神様。心を合わせてお参りをし、願っていただきたい」とあいさつした。

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