お正月には縁起物の若松を―。日本三大産地の一つとされる兵庫県丹波市山南町で、正月用の若松の出荷が最盛期を迎えている。大阪、神戸など関西を中心に、全国各地へトラックで運送。丹波若松生産者会によると、20数軒の農家が約200万本を出荷するという。
若松は、マツの種をまいて1年後、畑に植え替えて3年目で収穫する。草刈り機で刈り取り、手作業で大きさ、太さごとに選別し、余分な葉などを取り除いて出荷する。この時期、アルバイト従業員を雇っている農家も多く、朝から晩まで活気づいている。
同町では、坂尻地区を中心に戦後から若松の栽培がスタート。水はけのよい山裾の土地の性質を生かした特産となった。坂尻地区を中心とした一帯は茨城、愛媛と並ぶ産地になっている。
常緑の若松は縁起が良いとされ、最近は他の花とセットでアレンジメントに使われることが多いという。同生産者会の西倉寛登会長(49)は「猛暑の影響が心配されたが、葉の色も良く、出来は上々」と言い、「『花き』としてでなく、神様が宿る木として、見る角度を変えて楽しんでもらえれば」と話していた。




























