
詐欺防ぎ5度目の感謝状
高額の電子マネーカードを購入しようとする客に対して、「詐欺に遭われているのでは」と疑い、声をかけ、警察に通報して被害を未然に防いだことから、先月、篠山警察署長から感謝状を受けた。過去にも同様の功労で感謝状を受けており今回で5度目。同店のオーナーで夫の爾さん(69)も同功労で4度、感謝状を受けている。
店内をうろうろし、カードの陳列棚を探す人や、「このカード、どうやって使うの」と問うてくる人など、明らかに使い慣れていない人が高額購入をしようとするとき、「何に使われますか」と声をかけている。
15年前に同店をオープン。令和に入ってからこの手の詐欺が目立つようになってきたそう。
声かけに不慣れな当初は、「『詐欺に遭われているのとちゃいますか』なんてストレートに言い過ぎて、お客さまから『違うわ』とか『こんなにしつこく聞いてくるのはこの店だけやぞ』と激高されたことも何度かあった」と苦笑いしながら振り返る。
「この人が詐欺被害に遭われたら、販売した私も犯罪に加担したことになる」と思い悩む日々もあったが、経験を重ね、徐々に「叱られるかもしれないが、詐欺を防げるのだったらその方が良いし、もし、私の勘違いだったら謝れば済む」と気持ちの切り替えができるようになった。「警察も素早く対応してくださるので、安心して声かけができている」とほほ笑む。
「レジに立つ私たちは被害を防ぐ最後のとりで。そんな気概を持ってお客さまが不快にならないよう気を配りながら、これからも声かけをしていきたい。感謝状を受け取らなくてもよい世の中になることを願っている」。63歳。


























