道の駅「おば里」アドバイザーに 経営や運営を助言 売上上昇、先進事例に

2025.12.02
丹波市地域注目観光

丹波市の観光ハイシーズンの今年10月ににぎわう丹波おばあちゃんの里の物産館内=兵庫県丹波市春日町七日市で(提供)

全国道の駅連絡会が新設した、全国の道の駅に経営や運営、地方創生、観光、防災など、あらゆる面で助言する「アドバイザリー制度」に、丹波おばあちゃんの里(兵庫県丹波市春日町七日市、野原正章執行役員支配人兼駅長)が認定された。要請があった道の駅に、施設運営の根幹となる経営・運営面のアドバイスを担う。「おば里」は2022年に再整備して以降、「ちいき百貨店」と銘打ち、取り扱う商品を拡充して客が選択できる幅を増やしたり、支払い方法の多様性を求めたキャッシュレス決済を導入したりと、あらゆる改革により売り上げが躍進していることが、先進事例として評価された。近畿圏内では3駅、県内では唯一の認定。

全国の道の駅や、関連のコンサル会社など25団体が認定。“得意分野”によって担うアドバイステーマが分けられている。運営や経営といった、施設の基盤となる分野を助言するおば里は、野原支配人(55)が要請のあった施設に出向く。すでに道の駅の「草津」(滋賀県草津市)と「アリストぬまくま」(広島県福山市)にアドバイスしている。

野原支配人によると、施設の老朽化に伴い、再整備計画が進んでいる道の駅が多いという。丹波市による再整備と、指定管理者・丹波ふるさと振興株式会社による施設運営の両軸が機能し、売り上げを伸ばしている点が高く評価されているという。

今年度の売り上げは、昨年度を上回る7億5000万円を突破する見込み。今年度に入り、毎月の売り上げは前年度比110%以上の成長率を記録。市の観光トップシーズンの10月は、同120%増の約1億5800万円を売り上げた。11月も勢いを継続している。

野原支配人は「道の駅の設置者や運営者の思いを聞き、本音でアドバイスする。今回、認定を受けてアドバイスするのは現役の駅長が多く、運営者らにとっては、より現場に近い助言が受けられるのが利点」とする。「認定を機に丹波市の観光が注目され、市の観光の発展にまでつながっていくことを願う」と話している。

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