平和祈る2代目「青銅神馬」 戦争で供出の過去 29年間”不在”の時期も

2026.01.24
丹波市地域地域歴史注目観光

優しいまなざしでたたずむ柏原八幡宮の2代目の青銅神馬=兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波市柏原町の柏原八幡宮(千種太陽宮司)の麓「第一鳥居」のそばにたたずむ青銅の神馬。実は同八幡宮では〝2代目〟。さっそうと駆ける姿が表現されており、そのまなざしは穏やかだが、その歴史をひもとくと先の大戦に行きつき、そして世界平和への願いに結びつく。

現在の神馬の台座に、奉納された経緯が示された額が添えられている。それによると、初代の神馬は1915年(大正4)、同町屋敷出身の氏子3人が奉納。「皇国無窮の進展を祝祷して奉献」とある。

27年間、参拝者を見守り続けたが、42年(昭和17)、前年に勃発した太平洋戦争に伴い、厄除神社前にあった狛犬と共に、金属回収の国策に応じ供出された。先の額には「台座のみ空しく風雪に曝せし」とあり、主を失った石の台座だけが残った様子を伝えている。

同町石田町の氏子により、2代目が奉納されたのは29年後の71年(同46)で、これが現存する神馬。尾を含めると全長2・4メートルほどある。「国運の隆昌と世界の平和を祈念して斯く再建せり」とある。

千種宮司(42)によると、神社と馬は深い結びつきがあり、古来、雨乞いのために黒い馬を、雨が続く際には白い馬を奉納する風習があったという。今のところ、同八幡宮に生きた馬が奉納された記録は見つかっていないが、鞍が残っているという。

千種宮司は「世界では戦争が起きている。柏原八幡宮の神馬が、再び供出されるような世の中にならないことを願っている。お参りされる皆さんにとって、馬のように飛躍する一年になれば」と話している。

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