JA丹波ささやま (篠山市大沢) が販売する篠山市産の丹波黒 「丹波篠山黒豆」 が、 特許庁の 「地域団体商標」 に登録された。 最初の出願から5年越し、 3回目の出願で登録に至った。 全国で480件が登録されているが、 黒大豆の登録は初めて。 また、 「丹波」 の名がつく登録も初めてとなる。 県内では29番目の登録。
地域団体商標は、 地域名と商品名をかけ合わせたもので、 地域の特産ブランドを育成しようと、 特許庁が2006年4月から導入した。
同年、 商標取得に向けて、 同JAのほか、 市、 商工会が 「丹波ささやまブランドプロデュースチーム」 を結成。 出願品目や冠の名称を協議した。 出願者は法人格を持つ組合に限られており、 篠山市では同JAが同年9月に初めて出願したが、 「丹波篠山黒豆」 の名は近隣府県の認知度が低く、 「丹波」 の名は京都を含む広域で使用されるもの―として取り下げられた。
その後、 テレビ、 ラジオ、 雑誌などメディアで宣伝したり、 首都圏でPRするなどし、 08年に再申請したが、 近隣府県への認知度が低い、 として再度却下された。 さらに、 宣伝、 PRを続け、 ようやく登録された。
同商品の販売は主に、 250グラムが入った袋詰めの商品で流通。 包装に 「地域団体商標登録」 や商標登録を示す 「R」 の文字を入れて、 秋からの販売を目指す。 同JAの組合員以外が 「丹波篠山黒豆」 の名で販売した場合、 使用差止めや損害賠償を請求できる。
篠山市産の丹波黒は、 寒暖差が激しい特有の気候と保水力の強い土壌で、 皮が薄くて強く、 大粒が特長で正月用の煮豆として有名。
同JAが販売する 「丹波篠山黒豆」 は、 ▽栽培履歴が明確▽規格が一定以上▽品種特性が明確―などの条件がある。 市内農家の約7割、 1738戸から集荷し、 昨季は約232トンを集荷した。
営農経済部の小川昌秀・副部長によると、 これまでも 「丹波篠山黒豆」 として売ってきたので、 急激な売上増には結びつかないが、 一定の品質以上のものが 「丹波篠山黒豆」 として流通するので、 ブランドを守ることができるという。 また、 商標登録したことで他産地との差別化ができるという。
26日、 同JA本店で記者会見した仲井厚史・代表理事組合長は 「篠山の黒豆を守るのに早く取得したかったのでほっとしている」 と話した。 また、 「丹波篠山牛」 も近く登録される見込みで、 他の農産物の出願も続ける方針。