新耐震基準前に建築「36%」 篠山市内の住宅

2012.01.22
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 総務省が2010年度に行った調査で、 篠山市内の戸建て住宅のうち、 36%が新耐震基準が施行された昭和56年 (1981) 以前の建築とみられることがわかった。 市の諮問機関 「市住生活基本計画審議会」 が19日に行った同計画の答申でも、 簡易耐震診断の促進を重点プロジェクトとして掲げており、 一部の委員からは、 「新基準以前の建物を見ると、 多くの住宅が大地震で 『大破』 するのでは」 との声が上がっている。 一方、 市内で耐震診断を受けた住宅はごくわずか。 市まちづくり部は、 「診断は補助金を活用することで安価でできる。 ぜひ制度を利用してほしい」 と呼びかけている。

 総務省の調査では、 市内約1万4100件の住宅のうち、 約5100件が新基準の施行以前に建築されたものとした。

 また、 同審議会が昨年9月に行ったアンケート調査でも、 回答を得た904人のうち、 新基準前の住宅が40%近くを占めた。 内訳は、 昭和46年―同55年が140件 (15・5%)、 昭和36―同45年が58件 (6・4%)、 昭和35年以前が163件 (18・0%) だった。

 同アンケートのうち、 住宅の満足度についての項目では、 「住宅の耐震性能について」 が、 満足度の低さで2番目になっている。

 耐震性を計る指標 「Is値」 では、 木造戸建て住宅の場合、 「0・7未満」 では震度5以上で 「倒壊」 もしくは 「崩壊」 の危険があるとされている。 阪神・淡路大震災で倒壊した家屋のうち、 大半が新基準以前に建築された木造住宅だった。

 一方で、 国、 県、 市などの補助を受け、 自己負担3000円 (新基準以前に建築された木造住宅に限る) で実施できる 「簡易耐震診断」 を行った市内の住宅は、 前年度で2件のみ。 今年度も実施済みは1件にとどまる。

 非木造住宅の場合でも6000円で実施できるほか、 危険とされた場合に定める 「改修計画」、 計画に基づいて行う 「改修工事」 も補助対象になる。 篠山の場合は、 「リフォーム助成制度」 でさらに費用の補助を受けられるが、 診断を実施した住宅でも工事まで至った例はない。

 

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