山南、 和田両中学校の統合について、 時期や新校舎の場所、 校名などを検討する 「山南地域市立中学校統合準備委員会」 (柳川瀬義輝委員長、 36人) の第2回会合が11月26日、 市山南庁舎であり、 丹波市教育委員会が、 「山南地域のこれからの教育を考える会」 の提言 「2中学校の早期統合」 に対する 「市の考え」 として、 新校舎を市山南支所向かいの山南中央公園 (山南町谷川) に建設し、 一帯の市有地を学校用地にと提案した。 校舎位置を決める議論の叩き台となるもので、 次回の同委員会で、 市の案を受け入れるか、 別の位置を検討するかの協議を本格化させる。
市教委は、 ▽市有地に建設▽和田中、 山南中の既存校舎の活用と増改築▽新たな土地に新校舎を建設―の3案を検討。
山南中央公園 (山南中央グラウンド、 山南農業者等トレーニングセンター、 B&G海洋センタープールなど。 現在の山南中の300―400メートル東側) 一帯の活用案は、 ▽地理的に中心地▽土地の取得が不要で、 開発手続きに時間がかからず、 スピーディーに建設が運ぶ可能性がある▽中央グラウンドを活用できる―などを挙げた。 体育館とプールは、 既存施設を改修するのか、 新築するのか 「議論する」 とした。
和田中活用案は、 位置が西部に偏っており、「改築、 増築しての統合は非常に厳しい」 とした。 山南中活用案は、 ▽地形上の中心▽強制力はないものの、 文科省の学校施設の整備指針に 「工場近隣は避けるべし」 とある▽校舎が十数年先に耐用年数を迎えるため、 増築工事をしてすぐ新築をする必要があり、 二度手間になる▽グラウンドが狭い―の理由から、「教育環境上好ましくない」 とした。
新しい用地を求め、 新校舎を建設する案は、 グラウンド、 校舎、 体育館、 プール用地で3・5ヘクタールの土地取得が必要とし、 「ほ場整備された農地の買い上げを想定するが、 位置を考えると、 (まとまった土地を買うのは) 非常に厳しい。 農地法や農振法を解除するのも難しい。 コストも最も大きく、 どこの位置を選んでも、 建設に時間がかかるだろう」 と述べた。
委員からの、 仮に、 山南中央公園に位置を決めた場合、 最遠方通学者の距離はどの程度になるかとの質問に、 市教委は、 和田中校区西部の五ケ野、 西谷、 坂尻などで 「おおむね11程度」 と述べた。
委員からは、 東西に長い山南地域の特徴を考慮し、 通学バスの導入など、 通学距離が伸びる遠方通学者への配慮を求める意見が出た。
また、 三案のコスト比較の質問には、 「設計をした訳でなく、 ざっくりした数字」 と前置きし、 既存校舎の改築、 増築が10億円、 市有地活用案が25億円、 新たな土地を求める新築案が35億円、 と回答した。
「建設の財政的裏付けはあるのか」 の問いには、 「市の財政計画上、 位置づけている」 とした。 市教委は 「決定でなく提案」 と言い、 委員からも 「案にこだわらない」 「市有地活用と新しい用地を求めた場合のコスト差が小さく、 市教委の提案以外の場所も考えられる」 といった意見が出た。