兵庫県丹波市内の柏原、 氷上西、 氷上の3高校が共同し、 6月から 「看護師養成セミナー」 を開く。 看護師を志望する生徒を対象に、 現場の看護師による講義、 看護体験でモチベーションを高めてもらい、 学力補充講座で入試を突破する基礎学力を培ってもらう。 将来にわたって地元の医療機関で活躍し、 地元の看護を担う人材の育成につなげていくとともに、 生徒を送り出すことで、 2015年4月に市に移管される柏原看護専門学校の側面支援にもつなげる。
県の廃校決定から一転、 市立に移管され柏原看護専門学校が存続することを受け、 柏原高校の村山美生校長が発案した。 「地元の生徒が多く通うことで、 看専を活性化させる。 進路に目標を持つことで看護職への意欲を高めてもらえれば」 と、 氷上西、 氷上両高校に声をかけた。
丹波市の支援、 同看専の協力を得て実施する。 3年生だけでなく、 1、 2年生も対象とする。 柏原高校の同窓会館 「柏陵会館」 が会場。
開校式は6月4日。 「看護師を目指すに当たって (仮)」 と題し、 県立柏原病院の中川裕美子看護部長が講義する。 2回目は、 同看専の教員から、 看護学校で何を学ぶかを聞く。
夏休みには、 入試を突破する基礎学力をつけるため、 英数国の3教科について各2回の勉強会と、 同病院などで一日看護師体験を予定。
秋には、 同病院の秋田穂束院長の講義、 冬休みに追い込みの勉強会を3回開く。 入試前の1月には、 閉講式と激励会を開く。
氷上西の小西重正校長は、 「1、 2年生に看護職志望者がいて、 願ってもないこと。 生徒にとっていい刺激になり、 ありがたい。 看専が市立になった時には指定校の枠を設けてもらい、 生徒の進学先として道がつけば」 と期待を寄せる。
今春、 柏原高校では、 7人が看護大学に、 19人が看護専門学校 (うち柏原看専は5人) に進学した。 氷上高校は、 看護専門学校へ2人 (うち柏原看専1人)。 氷上西高校からは進学者がなかった。
慢性的な人手不足の看護師は、 不況下にあって、 「就職率100%」 ともいわれる人気職種。
県立柏原病院はピーク時240人 (2003年度、 353床稼働) だった看護師が、 168人 (4月1日時点、 164床稼働) に、 柏原赤十字病院は96人 (02年度、 167床稼働) が68人 (4月1日時点、 109床稼働) と、 大幅に減っている。 民間病院も常に看護師を募集しており、 公立、 民間を問わず、 看護師不足が常態化している。