「今日は何かな?」楽しみ“まかない”

2013.12.15
ニュース丹波市

 

◆月に1回、当番制で 由良工務店

 

 由良工務店 (丹波市氷上町北油良、 由良俊也社長、 社員18人) は月に1度、 社員が当番制で昼のまかないを作っている。 名付けて 「ゆら飯や」。当番になった社員は、 メニューを決めて前日から買い出しに行き、 当日は朝から準備。 手作りの昼食を囲んで社員同士のコミュニケーションの場にしている。

 同社は月に1度、 ほぼ全社員が出席しての経営会議を開いている。 みんなが集まるその機会を利用して、 月に1度くらい、 一緒にごはんでも食べようと昨年春ごろに始まった。 実際に厨房に立つことによって台所まわりの勝手が分かり、 新たな提案につながればとの思いもあった。

 由良社長をはじめ、 2―3人ずつが当番になって昼ごはんを用意する。 「材料費は1人400円以内」 がルールで、 当番は前日にメニューを発表。 社員は、 必要な皿やおはし、 スプーンなどを各自持参し、 正午を目安に、 会場にしているJR石生駅西口近くの自社モデルハウスにそれぞれの持ち場から集まってくる。

 現場監理担当の近藤太樹さん (31) は、 「当番になると大変だけれど、 いい気分転換にもなります。 食べる側になると、 楽しみです」 と笑顔。

 由良社長は、 「設計担当者が作る料理は盛り付けが美しいなど、 社員の意外な一面が見られる。 建物を含めたライフスタイルを提案する時代。 使いやすいキッチンの高さや広さに意識が向き、 家事は大変なんだと分かるだけでも社員教育になっている」 と話している。

 

 

 

◆ネットで紹介、話題に 山名酒造

 

 山名酒造の岩澤千代子さん (65) =丹波市市島町酒梨=が杜氏や蔵人たちのために作るまかないが、 同社のホームページ (HP) に掲載され話題を集めている。 HPを見た顧客や同社の女性スタッフから、 レシピを教えてほしいなどの声も寄せられている。 岩澤さんは 「健康や栄養を考えて作っている。 みんなにおいしく食べてもらってうれしい」 と話している。

 2007年から、 夕食の写真を 「蔵の晩ごはん」 としてHPに掲載している。 山名純吾社長が、 自慢したいほどおいしいまかないを、 多くの人に紹介したいと思ったのがきっかけ。 7年間で掲載した料理は800食以上にもなる。

 まかないスタッフとして働き21年。 酒造りを行う11月中旬から3月中旬まで、 泊まり込みで働く杜氏たちのために料理を作る。 「自分が食べたいものを作る」 を基本に、 買い出しから調理まで1人で担当。 初搾りで忙しい11月は昼食も作る。

 味噌汁や煮物は、 煮干を使って出汁を取り、 レトルト食品は出したことがない。 杜氏たちに人気のメニューは、 油揚げに豚ミンチと刻んだタマネギを詰め、 しょうゆと砂糖で炊く 「うす揚げの豚ミンチ詰め」、 豆板醤やチキンスープなどを使って作る 「麻婆豆腐」 など。

 杜氏の青木卓夫さん (64) =春日町野村=は、 「メニューも多く、 家庭的な味で、 元気がでる料理ばかり」 とにっこり。 岩澤さんは 「残さず食べてもらえてうれしい」 とほほ笑んでいた。

 

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