農地転用 県内トップ 太陽光パネル設置で 丹波市24件

2014.03.27
ニュース丹波市丹波篠山市

 丹波市内で太陽光発電パネルを設置するために農地転用した件数が、 今年1月末現在で24件あり、 県内各市町でトップであることが、 丹波新聞社の調べでわかった。 地域別にみると、 篠山市を含む丹波地域は、 27件あった淡路に次ぐ2位。

 県農地調整室農地利用係のまとめによると、 丹波地域の合計は25件で3万4345平方メートル。 淡路は27件で3万7921平方メートル。 自治体 (一部郡含む) 別にみると、 丹波市は24件3万4046平方メートルで、 面積では次に多い南あわじ市の約2・6倍。

 太陽光発電パネルを設置する業務を行っている福知山市の事業者によると、 春日町山王自治会の取り組みが影響しているという。 同自治会は、 自治会所有の土地に太陽光発電パネルを設置し、 売電による収入を自治会運営にあてる取り組みを行っており、 各地から注目を集めた。 同事業者は、 「山王自治会が注目されたことで、 太陽光パネル自体の知名度があがった」 と話す。

 また、 日当たりのよい空き地は意外と少なく、 おのずと日当たりのよい農地に目が向いた結果、 市街地や道路に近い農地に同パネルが設置されると、 「うちでもやってみよう」 という相乗効果を生んだといい、 「丹波市は、 関西でもパネル設置の多さはトップクラス」 とみている。

 別の丹波市内の事業者によると、 農地が安いため、 業者が太陽光発電という事業に参入したケースもある。 所有者から農地を借りて同パネルを設置し、 売電収入から借地料を払っても十分に採算がとれると見込んでのことという。

 自宅近くの畑を農地転用し、 同パネルを設置した山南地域の男性 (59) は、 「農業の経験がほとんどないので、 畑の世話に手をやいていた。 土地の有効活用と、 売電収入が老後の年金の足しになればという思いで、 設置に踏み切った。 高齢化で田んぼの世話ができなくなってパネル設置を考えた方もおられるのではないか」 と話す。

 一方、 農地転用の意見具申のための審査をしている市農業委員会の足立梅則会長は、 「農地を守る立場から見ると、 農業を取り巻く厳しい状況を反映しているようだ」 と複雑な心境の様子。 「将来、 田んぼの中に太陽光パネルの残骸が残るような状況にならなければよいが」 と心配している。

 

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