〈サッカーW杯観戦記〉人種超えて会場一つに 日本国歌歌うブラジル人 篠山市出身・松田賢吾さん

2014.06.19
ニュース丹波篠山市

スタジアムの至る所に掲げられていた日本国旗=ブラジル・レシフェ市で

沖縄県立名桜大学国際学群2回生で篠山市出身の松田賢吾さん(20)にサッカーW杯の日本対コートジボワール戦の観戦記を投稿してもらった。 松田さんは、 小学校6年生から3年間、 ブラジル・リオデジャネイロに在住していた経験を生かし、 さらなるポルトガル語の習得と南米文化論を学ぶため、 パラナ州立ロンドリーナ総合大学に留学中。

対コートジボワール戦のスタジアムがあるレシフェ市に着くと、 陽気なブラジル人たちがカイピリーニャ (ブラジル伝統のカクテル) を空港で配っており、 自分たち日本人を陽気に歓迎してくれた。

一方で、 日本大使館職員が日本人旅行客のために待機しており、 その光景は決してレシフェが安全ではないということを物語っていた。 街の中の警察も物々しく、 至る所で警察がパトロールしていた。 危険を感じた反面、 多くのブラジル人が日本人を見ると 「日本がんばれ!」 と熱く応援してくれたり、 「俺も日本を応援するよ!」 とブラジル人の多くが日本代表チームに対して好印象を持っており、 同じ日本人としてうれしかった。

また、 日本代表が宿泊しているホテルにも、 多くの親日ファンが集まり選手たちに熱いエールを送っていた。 ホテル、 アパート、 レストランと街じゅうの至る所に日本の国旗が掲げられており、 自分たち日本人よりも熱烈に日本を応援している姿が非常に印象に残った。

試合当日、 電車に乗るとコートジボワールのサポーターも日本のサポーターも仲良く会場までの道のりを楽しんでいた。 途中、 デモ隊により電車が止まることがたびたびあったが、 車両が進むたびに歓声があがり、 サポーターたちの一体感が高まっていった。 試合会場に着くと夜中にもかかわらず会場付近はライトアップされ、 さまざまなショップが立ち並んでいた。

会場内に先発メンバーが紹介されるごとに歓声がわき、 各国の選手一同が並び立ち国歌を斉唱する。 驚いたのは、 日本人や日系人が国家を歌う中、 どこで覚えてきたのか、 ブラジル人までもが起立し、 日本の国歌を口ずさんでいた。 会場内を見渡すと至る所に日本の国旗があり、 必勝の2文字がプリントされた日本のハチマキをしめるブラジル人や、 顔全体に日本のマークを描いたブラジル人がいたりした。

前半16分、 本田がゴールを決めるとサポーターたちが大声で褒め称え、 前半が終わりサポーター同士でウェーブを作るときは、 会場内サポーター一丸となって作り、 敵も味方も関係なく一体になるという感覚を肌で味わうことができた。

会場内でビールを注文しようと並んだときはブラジル人と日本代表チームの凄さについて語り合い意気投合し、 写真を撮り合った。 試合は日本が逆転負けの悔しい思いをしたが、 会場内で人種関係なく全員が一体となれたことは自分にとって非常に貴重な体験だった。

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