下水処理場や農作物に甚大な被害 7月豪雨災害で

2018.07.16
ニュース丹波の豪雨災害特集

氷上東浄化センターの地下2階。天井まで達した水を抜き、地上から空気を送り機器を乾かしている=兵庫県丹波市氷上町横田で

平成30年7月豪雨災害を受け、一時、大雨特別警報も出された兵庫県丹波市の被害状況が明らかになってきた。新たに下水処理場が数億円規模の大きな被害を受けたことや、ビニールハウス70棟が水没し野菜が全滅するなど、農業関連の大きな被害が出たことがわかった。

市の下水道施設は、5つの浄化センターと中継ポンプが被災。汚水に加え雨水の流入を見込み、流入ゲートを5―6割に絞っていたが、処理能力の3―5倍の水が流れ込んだという。

このうち、氷上東浄化センターは、管を通って処理場内に大量の水が流入、浄化センターの流入棟地下1・2階が天井まで水没。操作盤などの機器が故障し、水処理ができなくなった。滅菌など最低限の処理をし、水質基準を満たした上で河川に放流している。

同施設は2004年10月の台風23号で水没し、修理に4億円以上かかった。「積算はこれからだが、同じくらいか、それより少ないか。いずれにしろ多額を要する」(市建設部)と見ている。

泥水に浸かり、枯れてしまった小松菜を畑にすき込む=兵庫県丹波市山南町美和で

丹波リーフが所有する同市山南町美和地区のビニールハウス群70棟が水没し、ベビーリーフが全滅した。ハウスのビニール自動巻き上げ制御盤12台も壊れた。

水が引いてから泣く泣く畑にすき込んだ。種から育て直すため約3週間出荷がストップ。従業員の大半はしばらく休業している。

4年前の丹波市豪雨災害でも被災。堂本憲造社長(56)は、「育ててきた野菜が一瞬でやられ、自然の力をまざまざと見せつけられた。異常気象で水害はまた起きるだろう。農業は厳しい」と肩を落としながらも、「くじけず何とかがんばりたい」と前を向いた。

関連記事