11月18日に投開票された兵庫県篠山市の市名を「丹波篠山市」に変更するか否かを問う住民投票。丹波新聞社は期日前投票が行われた12―17日と投票日当日に出口調査を実施し、合計1583人から無記名で回答を得た。
◆酒井票に「反対」も
酒井氏を支持した人のうち、市名変更に賛成する人は77・4%。一方で反対する人が21・9%いた=表1。
市長選では対抗馬の奥土居氏に約1万票の差をつけたが、住民投票では約3000票しか賛成が上回れていないことを示している。
一方の奥土居氏の支持者のうち83・5%が市名変更に反対。表立って賛否を表明していなかった奥土居氏だが、酒井氏が賛成を訴えたことで、反対票の受け皿になっていたことがわかる。
◆丹南で賛否拮抗
旧町単位で最も賛否が競ったのは丹南地区。賛成52・3%に対し、反対が46・1%と拮抗した=表2。酒井氏、奥土居氏がともに暮らす地域でもあることや、市外から移住してきた住民が多いことが要因と考えらえる。
一方、賛成が6割を超えたのは、篠山(60・1%)、今田(63・0%)、多紀(64・7%)だった。
◆10代で反対上回る
年代別はほぼピラミッド型の構造を示し、年齢が高くなるほど賛成が多く、若い世代ほど拮抗。10代は反対が64・3%と賛成(35・7%)を大きく上回った=表3。
高い年代ほど農業に従事している人が多く、「丹波篠山」という言葉にふれる機会が多い一方、若い世代は、「篠山市」に馴染んでいることや、14年前には、「丹波市」が誕生していたことなどが影響していると推測される。
◆「すべきこと他に」
賛成の理由=表4=で最も多かったのは、丹波篠山が「全国的に知名度がある」と回答した人で26・0%。続いたのが「地域の誇り、ブランドが守れる」(20・9%)、「丹波市との違いが明確になる」(18・4%)だった。
反対の最多は、「税金のむだ」(23・4%)。「篠山市を売り出すべき」「何らかの効果があるとは思えない」が21・3%で並び、「文字数が増えるなど、住所変更が嫌だ」(16・8%)が続いた。
また、自由記述方式の「その他」は、賛成で1・6%だったのに対し、反対は4・2%。「他にすべきことがある」「丹波市の誕生で篠山ブランドが低下したと考えるのはおかしい」などがあった。