モノ作り一筋に45年
野村製作所社長 小島延晄 (おじま・のぶあき) さん (泉南市在住)
1940年 (昭和15年) 篠山市般若寺生まれ。 篠山農高 (篠山産業高) 中退と同時に大検で高校卒資格取得。 大阪府立大工業短期大学部機械科卒業。 野村製作所で取締役営業部長などを経て2001年に社長。
横中ぐりフライス盤など工作機械や環境・電子機器を製造販売する野村製作所 (本社=大阪府岸和田市) 社長。
会社は1913年に創業以来93年。 大手機械メーカーなどからの注文に応じ、 モノ作り一筋に歩んできた。 なかでも、 横中ぐり盤は、 7トンの金属製品を機械の上に乗せ、 精密な穴をあける。 創業から五年後に生産を開始したヒット商品で、 モデルチェンジをはかりながら、 現在も使われる。 このほか、 肥料、 メリケン粉など袋詰原料を自動的に開ける開袋機やラッピングマシン、 旋盤や研磨機械などに用いられる 「チャック」 も生産。
入社以来45年。 製造、 工務、 生産技術、 営業など各方面の仕事に携わった。 「モノ作りは人づくり。 若い人の参加が一番の願い」と言い、 地元の小学生の職場見学や高校生らのインターンシップを積極的に受け入れたり、 市民カレッジの一環で、 子どもの親の世代にも足を運んでもらう機会を設ける。 「モノ作りの現場は地味、 人材不足も深刻。 地域でこんな物を作っている会社があることを多くの人に知ってもらえれば、 就職の際の選択肢にもなる」 と期待。
「修理を繰り返しながら、 65年間使われている我が社の製品が大阪市内にある。 モノ作りはハートが大事。 いつも気を抜かず精度の高い製品を作りたい」。 江戸から明治にかけて全国有数の木綿栽培地として知られた地域を見直す 「きしわだ木綿物語プロジェクト」 にも参加。 綿と種を分離する電動式綿くり機 「くりくりーワン」 を考案し、 繊維産業活性化にも貢献する。
故郷の篠山で働きながら定時制高校に通った。 「農業機械を作っていた竹内工業の経営者の竹内泰二さんに、 色々なことを教わった」 と感謝。 「故郷でモノ作りについて話をする機会があったら、 気軽に声をかけてください」 と話す。
(臼井 学)