提案営業モットーに
不二製油社長 浅原 和人 (あさはら かずと) さん (大阪府在住)
1945年 (昭和20年) 丹波市山南町生まれ。 柏原高、 大阪府立大工学部化学工学科卒。 68年不二製油入社、 生産本部技術開発部長、 蛋白食品事業部長、 常務取締役などをへて02年から現職。
関西国際空港を臨む泉佐野市(大阪)に本社を置く 「不二製油」 の社長。 同社は食品メーカー向けの中間素材のトップメーカー。
製品は、 油脂、 クリーム、 マーガリンやチョコレートなどの製菓・製パン及び大豆たん白素材が中心。 業務用チョコレートは国内65%のシェア。 大豆たん白食品も学校給食や生協などに採用されている。 「最近は、 消費者向けにも力を入れ、 『さらさらスッキリ調製豆乳』 『豆乳ヨーグルト』 などがヒットしています」。
特に大豆たん白事業は、 油脂事業とともに、 会社創立以来重点に置き、 業界をリードする。 「健康食品として、 注目される大豆から純度の高い分離大豆たん白質を取り出す方法を考案しました。 大豆たん白から作られる大豆ペプチドを活用した 『ザ・ペプチド』 などの健康飲料が良く売れています。 今は、 関東が中心で、 消費に生産が追いつかない状況で、 最近工事にかかった中国の新工場が稼動すれば関西でも売り出せると思う」 と自信。
「創造と改革の経営」 を柱にしており、 「提案営業」 がモットー。 「製品を売り込むだけでなく、 顧客のニーズを持ち帰り、 新規開発に役立てています。 1100人いる社員のうち25%を技術系で占めるというのも食品メーカーでは珍しい。 市場と密着した研究開発が可能なのも豊富な技術陣に支えられているからできることです」 という。
入社以来、 技術畑一筋に歩んだ。 国内の主要プラント建設、 海外工場の建設、 立ち上げにもかかわってきた。 現在アジア、アメリカなど7カ国に12工場を持つ。 「食品の安全は最重要課題。 当社初の技術系社長に任命されたのはその点を使命と認識しています」。 篠山市にある 「フジフレッシュフーズ」 は100%出資の子会社。
「高校時代は放送部でした。 クラシックが好きなのは、 その影響でしょうか」
(臼井 学)