丹波市内の有志が産地化を目指し設立した 「丹波の黒ゴマ振興会」 の会長に就任した。 生産農家が相互に黒ゴマの生産に関する研究や情報交換を進め、 未確立の部分が多い栽培技術の向上と、 経営の安定を目的とする。 丹波市立交流会館 「かどのの郷」 (氷上町上新庄) 内に事務所を置く。 本格栽培の初年度となる今年、 何とか軌道に乗せようと意欲を燃やしている。
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「市内全域から80人の会員が集まりました。 健康食品ブームに加え、 何か新しい作物を、 と考える人が多くタイミングが良かったんだと思います。 60歳代、 70歳代の方が中心で、 ちょうど、 親がゴマを作っているのを見て育った世代だと思います。 カキやブドウを作ることを考えれば、 ゴマにかかる手間は少ないことを経験上知っておられたのではないでしょうか」
「今年は、 量を確保したい。 エレベーターみたいに上がったり下がったりするのでなく、 コンスタントに一定量を出荷できるようにならなければ産地とは言えません。 最初が肝心なので、 4月にほ場では種の講習会を開く計画をしています。 実際に目で見て体験して、 ノウハウを蓄積していきたい。 私自身、 昨年ほんの少し作っただけで、 初心者です。 みなさんと一緒に勉強をしていきたい」
「2社から取引をしたいと、 申し出があります。 昨年はキロあたり、 1500円以上で売れました。 今年も同等かそれ以上で売れるよう、 良いものを作りたい。 取引先に言わせれば、 黒豆のイメージが強く、 丹波と言えば 『黒』 のイメージだそうです。 1人で10アール、 20アールと作るのはしんどいですが、 無理のない範囲で面積を増やしてもらい、 篠山の黒豆に追いつけ、 追い越せを目標にがんばりたい」
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ゴマは、 輸入品が99.9%で、 国産品のシェアは、 わずか0.1%。 参入する余地は多いにあり、 業者からも大きな期待を寄せられている。 それだけに失敗はできないと気を引き締めている。 三方丹波栗生産出荷組合の元組合長で、 特産作物にかける思いは熱い。 丹波市氷上町三方。 71歳。
(足立智和)