間ばつや作業道設置などの森林施業や、 中国への原木輸出のコーディネート、 原木販売などを行なう企業組合 「丹波の木こり」 の理事長。 「特定非営利活動法人バイオマスフォーラムたんば」 (BFたんば) が進める市民発電所を燃料供給の面から支えることや、 地域での雇用創設、 森林保全などを目指す。
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「森林法が改正され、 森林組合でなくても、 国県の補助金の交付対象となる事業ができるようになった。 森林施業計画を立て、 間ばつなどを行なっていく。 まずは、 BFたんば会員や知人の山を集め、 7月から事業を実施する」
「いなかを離れて住んでいる不在町地主が約2割の森林を所有している。 これら不在町地主が所有する山で、 特に荒廃が進んでいる。 県の環境対策育林事業を利用すれば、 山主の自己負担はゼロで間ばつができる。 都会に住む所有者を訪問し、 間ばつの許可を得る 『掘り起こし』 に力を注ぐ。 また、 集落を対象に説明会を開くなど、 協力を呼びかけたい」
「切った木は、 なるべく里に出したい。 現状は、 コストが合わないからと、 ほとんどが切り捨てられているが、 大型林業機械と作業道設置などでコストは下がる。 そのための研究を京都大学大学院と提携して行なう。 作業道は、 将来の発電所への原料搬出の道、 非常に重要」
「他にも企業組合なり、 会社なりができ、 林業に参入してもらえれば森林保全が進むし、 雇用も生まれる。 作業道も広がる。 着実に実績をつんでいきたい」
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愛知県出身のまちづくりコンサルタント。 BFたんばのメンバーに誘われ、 大阪府から昨年氷上町に妻子と共にIターン。 念願のいなか暮らしを楽しんでいる。 高齢者向けの集合住宅などを多く手がけており、 現在は滋賀県大津市で、 八?の土地に、 高齢者向けの農園付き一戸建て住宅を50戸建設するプロジェクトに携わっている。 丹波でも、 「山林付き」 の一戸建て住宅街を作ることを計画中。 そこでは組合が山から出した木材で住宅を建てるという。 わき出るアイデアに注目したい。 氷上町下新庄。 54歳。 (T)