森林保全めざす企業組合理事長 三輪 邦興 (みわ くにおき) さん

2004.06.13
たんばのひと

 間ばつや作業道設置などの森林施業や、 中国への原木輸出のコーディネート、 原木販売などを行なう企業組合 「丹波の木こり」 の理事長。 「特定非営利活動法人バイオマスフォーラムたんば」 (BFたんば) が進める市民発電所を燃料供給の面から支えることや、 地域での雇用創設、 森林保全などを目指す。


  「森林法が改正され、 森林組合でなくても、 国県の補助金の交付対象となる事業ができるようになった。 森林施業計画を立て、 間ばつなどを行なっていく。 まずは、 BFたんば会員や知人の山を集め、 7月から事業を実施する」
  「いなかを離れて住んでいる不在町地主が約2割の森林を所有している。 これら不在町地主が所有する山で、 特に荒廃が進んでいる。 県の環境対策育林事業を利用すれば、 山主の自己負担はゼロで間ばつができる。 都会に住む所有者を訪問し、 間ばつの許可を得る 『掘り起こし』 に力を注ぐ。 また、 集落を対象に説明会を開くなど、 協力を呼びかけたい」
  「切った木は、 なるべく里に出したい。 現状は、 コストが合わないからと、 ほとんどが切り捨てられているが、 大型林業機械と作業道設置などでコストは下がる。 そのための研究を京都大学大学院と提携して行なう。 作業道は、 将来の発電所への原料搬出の道、 非常に重要」
  「他にも企業組合なり、 会社なりができ、 林業に参入してもらえれば森林保全が進むし、 雇用も生まれる。 作業道も広がる。 着実に実績をつんでいきたい」


 愛知県出身のまちづくりコンサルタント。 BFたんばのメンバーに誘われ、 大阪府から昨年氷上町に妻子と共にIターン。 念願のいなか暮らしを楽しんでいる。 高齢者向けの集合住宅などを多く手がけており、 現在は滋賀県大津市で、 八?の土地に、 高齢者向けの農園付き一戸建て住宅を50戸建設するプロジェクトに携わっている。 丹波でも、 「山林付き」 の一戸建て住宅街を作ることを計画中。 そこでは組合が山から出した木材で住宅を建てるという。 わき出るアイデアに注目したい。 氷上町下新庄。 54歳。 (T)

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