東京で丹波産野菜PR
春日町で有機野菜を栽培し、その野菜を使った料理を提供するカフェレストラン「パブリック・キッチン」を東京・吉祥寺で営む。会社の共同代表の神川健太さん(34)が野菜栽培を担当。山口さんは、レストランでシェフとして腕を振るい、月に1回は丹波に来て畑の様子を見ている。「店には、丹波出身者も来られます。『丹波出身です』と言われると、親近感を覚え、すぐに仲良くなります」
奈良県五條市の出身。大阪・心斎橋でカフェレストランを開く際、丹波市の農家と知り合った。寒暖差の大きい地で育った野菜の味わいにほれこみ、丹波の野菜を仕入れた。2年前、高槻市出身の神川さんと出会い、神川さんの野菜を仕入れるようになり、共に会社を経営。昨年12月、心斎橋の店をたたみ、東京に進出した。
店の人気メニューのひとつが、15種類ほどの季節の野菜を使った「日替わり畑の実りご飯」。手ごろな値段で、野菜をおいしく食べてもらうよう工夫しており、どのメニューにも丹波で育った有機野菜を使う。夕方、店に届いたスイートコーンを、3幅にスライスして生で提供したこともあった。生での提供に驚いたお客だが、食べてみて今度はその甘さにびっくり。「店では野菜の販売もしていますが、その日のうちに30本のスイートコーンがすべて売れました」とにっこり。
「お客さんのほとんどが『丹波』という地名は知っておられるが、京都にあると思っておられる。『うちの店は、兵庫の丹波です』とPRしています」。丹波には、都市部にはない資源があるという。「今後、それをどう事業に生かしていくか、楽しみです」。33歳。