居場所づくりの「つどい場」開く 原美由紀さん(篠山市住吉台)

2016.02.14
たんばのひと

気楽に老いや介護の話を

 篠山市住吉台の自宅を、月、木曜日の午後、「つどい場『お茶の実』」スペースに開放している。お茶を飲みながら、お年寄りがゆったり過ごしたり、介護をしている人たちが息抜きしたりできる場をつくろうと、2013年5月から始めた。毎月最終日曜日には、篠山市味間南のフリースペース「御楽家」で、介護している家族や専門職を対象にした「かいごのつどい場」も開いている。

 「介護や老いは特別なものではない。遠ざけたり、一人で抱え込んだりしないでほしい」。どちらの「つどい場」も、お茶以外に特別な準備はしない。あくまでも気軽におしゃべりに来てもらいたいと考えている。

 介護保険制度スタートとほぼ同じ頃から約10年間、ヘルパーとして勤務した。認知症ケア専門士、介護福祉士の資格を持つ。ヘルパー時代は、制度の枠に悩むことも多く、諸事情で退職したのを機に、「介護保険では埋められない部分の手伝いをしたい」と考えるようになっていった。

 また、地域の人たちと一緒に、2012年から「住吉台コミュニティサポート」の活動も続けている。サポート会員と利用会員として登録してもらい、15分150円で仕事を頼める仕組み。高齢化しつつある地域で、 “ちょっとした困り事”を気兼ねなく助け合えると重宝されている。

 「活動の根っこは『いつか自分もこの地域で助けられながら暮らしたいから』という思いがあります。人のためでなく自分のため。『つどい場』をやってみて、職場でも家でもない“第3の場所”として、自分にも必要な居場所だったことも分かりました」。49歳。

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