デイサービスに「カフェ」開設 足立宣孝さん

2016.06.19
たんばのひと

認知症の一般化進める

 丹波市氷上町市辺に先月開業した認知症対応型デイサービス「スマイル」の管理者。同施設併設の地域交流室「笑顔カフェ」は、カウンターがあり喫茶店のような内装。常設の「認知症カフェ」のような使い方をしようと考えている。「研修会、相談のほか、患者と家族の息抜き、笑ってスカッとできる場所として気軽に利用してもらえれば」。認知症に関する情報を当事者と家族のみならず広く市民に発信してゆく。

 7年前に認知症を発症し、2年前に亡くなった母親の介護を知識がないがために十分できなかった思いがある。介護サービスを受けさせたり、認知症の薬を飲ませようとすることで生じた家族間の摩擦、葛藤。「介護される側、する側の悩み、苦労が身にしみて分かる。当時の自分は認知症対応型デイサービスがあることすら知らなかった。資格を取り、知識をつけたことで、ああすれば良かったと思うことがたくさんある」。

 「認知症に対するハードルの高さ」を「予想以上」と感じている。認知症対応型デイは全国的に利用が低迷。認知症であることを受け入れ、「対応型」の施設を利用することに、本人、家族とも抵抗を覚える心情が背景にある。

 「その気持ちは理解できる。それでも」と思う。「介護保険で介護が社会化したように、認知症も一般化していかなければいけない。ありふれた病気で、特別なものではない」。

 症状が進み、病院施設に入院・入所させるしかないと考える家族もいる。「周辺症状はケアによって落ち着く。支えがあれば、社会の中で暮らしていける。暮らせる時間を長くできる」。64歳。

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