古楽器製作家 平山照秋さん(篠山市小坂)

2017.09.10
たんばのひと

バッハを当時の楽器で

 9月9日から「シューベルティアーデたんば2017」が開幕した。今回は古楽器にスポットを当てたプログラムになっており、古楽器製作家の平山さんも11月11日開催のガラ(ファイナル)コンサートなどで古楽器について話す。

 神戸市出身で、神戸高専を卒業後、西宮市役所に入庁。趣味で楽器の演奏を始め、ギターでバッハなどの曲を弾いているうちに、バッハらが活躍した時代の楽器を使いたいと思い始めた。最初に作った古楽器は、チェロのような楽器、ヴィオラ・ダ・ガンバ。当時、25歳。「古楽器の製作家に依頼したら2、3年はかかるので、「自分で作ろうと」。3週間で作り上げた処女作は、プロの製作家から「今まで見たアマチュアの楽器の中で一番の出来」とほめられた。

 子どもの頃から絵を学び、土木工学を専攻した神戸高専では図面の引き方を学んだ。それらの体験が古楽器製作に生きた。西宮市役所を辞め、32歳で独立。柏原の知人の紹介で1989年に氷上町にIターンし、工房を構えた。20年ほど前、篠山市に土地を購入。仕事をしながら5年ほどかけ、ツーバイフォー工法で自宅を建てた。

 熊本県天草市にある天草コレジヨ館から、遣欧少年使節がヨーロッパから持ち帰った楽器の復元依頼を受けて製作。ほかにも各地の美術館や博物館からの依頼で古楽器を復元している。プロの演奏家や愛好家からの製作依頼は数多く、「年間で363日、仕事をしています」。

 「バッハやヘンデルなど、だれでもが知っている作曲家たちが、曲を作った当時の楽器で演奏をすると、その頃の音楽の味わいや音の響きが楽しめます」と話す。68歳。

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