趣味で油彩画描く 田村英夫さん(丹波市春日町黒井)

2017.11.26
たんばのひと

「絵を描き心豊かに」

 油彩画に親しみ、これまで丹波市民美術展の絵画部門の最高賞となる市展賞に輝いたほか、全国公募の市美術大賞展で4度の入選、篠山市民美術展での優秀賞など、20以上の受賞をしている。仕事のかたわら、10年近くで100号の大作を含めて50点以上の作品を制作した。

 子どものころから絵を描くのが好きで、とりわけ地域の風景を好んで描いたという。中学、高校と進むごとに絵画への思いは強まったが、夢に見ていた美術学校への進学はかなわなかった。その後、筆を執ることはなく、40年近い月日が流れた。

 9年前、地元自治会の役員を受けた際、「事のついでに何か始めてみるか」と思い立ち、学生時代に夢中になった絵画を再開。1万円で油彩画セット一式を買い、春日町内の絵画教室に通った。「当時は筆の洗い方も知らなかった」と笑う。忙しくなって教室に通えなくなったため、我流で技術を身に付けることを決めた。

 絵を描く場所がなく、自宅の下駄箱の上で制作を開始。愛犬や愛猫を題材にしたものの、すぐに描き方がわからなくなり、壁に当たった。それでも毎晩、描き続けた。「描き過ぎて、夢の中でも色合わせをしていた」と笑い、「これはアカンと、描く時間を減らしました」と振り返る。

 左側から光が差し込み、右側に影ができる、そんな光と影を表現する描き方を好む。「こんなところにも我流が表れているのかな」と笑う。今では「うちのペットを描いてほしい」という依頼が舞い込むことも珍しくないという。「描くことで心が豊かになり、絵を見て喜ぶ人がいてくれたら」。眼鏡などの販売店「タムラ」を経営。67歳。

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