「人口増は無理」 持続可能な集落を 無投票5選の市長インタビュー

2019.02.17
ニュース丹波篠山市地域

インタビューに答える酒井市長=2019年2月12日午前10時3分、兵庫県篠山市北新町で

「未来に輝く地方都市に」

今月10日告示の兵庫県篠山市長選で、無投票で5選4期目を決めた現職の酒井隆明市長が12日、篠山市役所で報道陣のインタビューに答えた。同市は昨年11月に行われた住民投票を経て、5月1日から「丹波篠山市」に市名変更する。

 

―無投票当選を決めた

長い間、市民のみなさんから支援を頂き、非常に感謝している。この気持ちを忘れずにこれからもがんばりたい。

 

―4期目の抱負は

丹波篠山市長になれる喜びと、市民のみなさんが、「市名変更すれば何かいいことがある」と期待されているので、その期待に応えられるように取り組む。

1期目は財政再建や医療の問題など、マイナスからのスタートだった。2期目から前を向けるようになり、3期目では日本遺産認定やユネスコ創造都市に加盟し、飛躍することができた。4期目はみんなが活性化を実感できるようにしたい。

これまでの取り組みをさらに進め、丹波篠山ブランドを生かして農業や観光、そして、地域の活性化につなげる。そうすることで、農村集落を未来につないでいく。

 

―市名変更の取り組みはどう進める

5月1日に開く記念イベントでは、篠山城の周りや市内各地で「デカンショ」を中心とした取り組みを行い、市民を上げて盛り上げていきたい。市民のみなさんからも風船飛ばしやテレビ番組への売り込み、記念切手やはがきの作成、ラッピング列車などたくさんの提案が寄せられているので検討を進める。

 

―市名変更に反対した人も多かった

反対の人にも「変わってよかった」と言ってもらえるよう取り組む。住民投票を経て、市民のみなさんの心はほぼ一つになっていると思う。

 

出馬しやすい状況つくるべき

―人口減少が顕著になってきた

今の時代に人口増は無理。やるとすれば、よそから人口をとってくるか、田んぼを潰して家を建てるしかない。しかし、一時だけよければよいのではないので、持続可能な集落をつくらなければならない。人口増加よりも人口定着が大切。そして、よいまちをつくればおのずと人は集まる。

 

―4期目のスローガンは

「丹波篠山の時代」「地方都市のリーダー」「世界のみなさんこんにちは」など、これまでのスローガンを実現していくことだと思っている。

 

―財政はいまだ厳しい

財政再建のために2008年から取り組んできた「篠山再生計画」は計画通り進んでいる。19年度の決算ベースでは収支バランスが取れると見込んでおり、一つの区切りとなる。しかし、いまだ厳しいものはあり、何でもできるようになるわけではない。新たに財政健全化を維持する計画はたてなければならない。

 

―同時実施の市議補選(欠員2、立候補3)も危うく無投票の可能性があった

市議は良い仕事だと思う。しかし、市政に関心がある人でも、出馬に結びついていないのが現状。議会を夜間や休日に開催するなど、もっと意欲のある人が出やすい状況をつくるべきだ。本気で考えていかなければならないと思う。

 

―5期目も目指すか

先のことなので何も考えていないが、4期目をこれまでの集大成というつもりで臨みたい。

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