福島へ最後の梅干し送る 原発事故影響で移住の家族ら 「これからもつながり続けたい」

2019.02.23
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最後となる梅干しや梅酢づくりに励むメンバーら=兵庫県篠山市福井で

2011年の東京電力・福島第一原発事故の影響で、福島県から兵庫県篠山市内に自主的に避難した人たちでつくる「丹波篠山避難者ネットワーク こっからネット」がこのほど、同市福井の民家で、放射能を懸念しながら福島で生活を送る人々のためにと仕込んだ梅干しのパック詰め作業に取り組んだ。6回目となる活動で、今回で一区切りをつける。メンバーらは協力してもらった人々に感謝しながら、「活動を終えることで、福島とのつながりが薄れていくかもしれないが、生活の拠点を篠山に移した私たちにとっては自然な流れ。それでも、何らかのつながりは持ち続けていきたい」と話していた。

「梅干しプロジェクト」(通称・梅プロ)と題した活動に取り組んできたのは、同ネットメンバーの6世帯17人。原発事故の影響が色濃かった2013年、福島では放射能を懸念して梅の天日干しができない人もいたことから、篠山で梅干しを作って送り届けるプロジェクトをスタートした。

メンバーだけでなく、思いに賛同した地域住民らも協力。各家庭で梅干しを仕込み、毎年、福島で暮らすメンバーの友人や親せきらに届けてきた。

毎回、「うめぼしだより」をつけ、「今年もお送りすることができてほっとしています」などのメッセージや、「今年の篠山は寒いです」「5月から丹波篠山市へ市名が変わります」など、篠山の情報も添えた。

今年も450グラム入りのパックを83個作ることができ、福島へ発送した。

6回目を迎えた活動は、メンバーが移住してから6年以上が過ぎたことになる。それぞれ移住直後と比べ、仕事も忙しくなり、子どもも大きくなるなど、時間的な余裕がなくなってきたことから、活動に区切りをつけることにした。

メンバーの女性は、「一人ひとり思いは違うけれど、私は福島の人が私たちのメッセージを受け取ってもらえたらそれで十分。『忘れないでいてくれてうれしい』という声もいただき、うれしかった。今、私の拠点は篠山。自分の足元をしっかり固めていきたい」と話していた。

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