知られざるネタを

2019.02.28
記者ノート

 篠山市大熊にある「瑠璃寺・薬師堂」で毎年2月11日に営まれる子授け祈願の法要を初めて取材した。赤ちゃんを抱いた人たちに話を聞くと、口をそろえて「法要に参加してすぐに授かった」。科学的根拠は一切ないし、偶然ということも考えられる。それでも、「ゾクゾク」っと来るものがあった。

 お堂の管理は自治会。特に宣伝しているわけでもないのに、今年も80人の参加があった。ご利益を賜った人の中に医師もいたそうで、そこから法要の存在が各地に広まったらしい。以前はバスで来る御一行もあったとか。

 小さなお堂の中に満ちた祈り。「もっそ」と呼ばれる供え物。いつの時代も変わらない風景。住民が脈々と受け継いできた法要は、「文化財」といってもいいと思った。

 取材していると、他地区の人が来ておられ、「うちにも子授け地蔵があるんや」と教えてくれた。しかも、「持って帰っていい地蔵」だとか。取材しないわけがない。

 まだまだ知られざるネタがある。それを探し当てるのが記者の醍醐味だ。もちろん売り込みも歓迎。情報お待ちしております。(森田靖久)

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