丹波マツタケ

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 自生している丹波マツタケの写真を撮らせてもらおうと5日、丹波市内の生産者にマツタケ山に連れて行ってもらい、50本ほどのマツタケを拝むことができた。 山の斜面を15分ほど登ったところでマツタケと初対面。生えている現場を初めて見た。地面から笠だけ顔を出している姿は、茶色のマッシュルームのようだった。 「そこにも」と言われ鼻がつきそうなくらい地面に顔を近づけて探したが、自分では一本も見つけられなかった。 マツタケを抜くたびに、根の部分をぱっぱと払い、抜いてできた穴を丁寧に埋め戻す。収穫には、竹を編んだかごを使う。胞子を一帯に落とし、「次」が生えてくるようにするために気を遣っているそうだ。実効性は分からないが、「まじない」のようなものだろうか。取らないマツタケは、落ち葉をかぶせて隠す。シカには通用しないが、泥棒対策にはなるそうだ。そのカモフラージュの技も、実に見事だった。 一日で十万円のもうけが出るなど、当たれば大きいマツタケ。一攫千金を夢見るマツタケハンターの地味な作業に感心するとともに、華やかな丹波マツタケの舞台裏を見たような気がした。(足立智和)

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