病院の医師不足

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 新研修医療制の影響で、全国の農村部で医師不足が進んでいる。同制度により最低2年間の研修が義務づけられたため、ここ2年、医師の供給がストップしている。また、医師が研修(勤務)先を自由に選べるようになり、いなかに医師を派遣する役割を担っていた大学の「医局」が弱体化したことも大きい。 大病院や都市部に若手医師が集中している「かたより」が問題だ。都市部で医師が飽和すれば、いなかに回ってくるようになるだろうが、数年はかかると見るむきもある。それでも「丹波地域はぎりぎりの線で、ここより北になると、もっと医師確保が厳しくなる」という医師の声も聞いた。 今が過渡期で一番苦しい。病院から我々は大きな恩恵を受けている。新しい医師の確保が難しいなら、現状維持に務めるのが次善の策だ。 丹波市では、救患の時間外診療などで医師会が一肌脱ぐ。内科、小児科医にかかる負担が増えることが予想される。青垣と氷上など、隣接する二町、三町で当番医を設けるなどし、開業医の負担が分散し「安心して受診でき、長持ちするシステム」を考えてもらえればと思う。(足立智和)

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