日曜版に4月から7回掲載した「ALTベスの丹波ライフ」が先週で終了した。柏原高校の外国語指導助手で、日本語がたん能なベス・ヒルマンさんに寄稿してもらったエッセイで、長い文章の全てが面白かったので、毎回、紙面のスペースに合わせて削らなければならないのがもったいなかった。 文章の構成なども上手かったが、何より見ているポイントが面白かった。これらはベスのオープンで行動的な人柄によるものだと思う。 中には、外国人の少ない田舎に来て、いきなり「特別な人」になってしまった戸惑いも書かれていた。「周りの人がみんな私のことを見ている」という「パラノイア」(妄想症)になってしまったそうだが、「日本人でもアメリカ人でも一人ひとり違っている。ありのままの自分をみせてがんばりたい」と前向きに考えた。 私はベスと話をするけれど、この連載を通じて初めて中身にふれたように思う。外見や態度、話し方などからは分からない部分を理解でき、比例してだんだん好きになっていった。文章の力と、「知る」ことで好きになるという実感を得られた連載だった。(徳舛 純)