地方部でもマスク品薄に 都市部の家族から「SOS」も 新型肺炎の影響受け

2020.02.02
ニュース丹波市丹波篠山市地域

マスクが売り切れ、空きスペースが目立つドラッグストアの陳列棚=2020年1月30日午後2時33分、兵庫県丹波市内で

新型コロナウイルスの感染者が国内でも日を追うごとに増え、不安が広がる中、感染予防にマスクの着用やアルコール除菌が有効とされていることから、都市部から離れた地方部でもドラッグストアなどでもマスクやアルコール消毒液などが売り切れたり、あるいは品薄状態となっている。自分や家族のために購入するのではなく、より品薄な都市部に暮らすわが子や孫、親類などから、「マスクを送って」のSOSを受けたり、都市部からマスクを求めて訪れる客も見られる。

大阪市中心部から北西に70キロ以上離れた兵庫県内陸部の丹波市内のドラッグストアのマスク売り場でも、「一家族5点限り」の張り紙が目立つ。50―100枚入りの箱入り商品のレギュラー(ふつう)サイズが完売しており、陳列棚に大きな空きスペースをつくっている。

「入荷して陳列するとすぐに売り切れてしまう」と店員。購入制限前には10箱ほどまとめ買いした客も複数いるという。

子ども・女性用の小さめサイズの箱入りや、サイズを問わず5枚程度入った小袋商品は品薄ではあるものの確認できた。

この店で制限を始めたのは、1月28日から。中国・武漢に渡航歴のないバス運転手の男性からウイルスが見つかり、国内初の「ヒトからヒトへの感染」が報道された日でもある。

「箱入りマスクはお一家族2点まで、袋タイプは3点まで」の購入制限を呼び掛ける札=2020年1月30日午後4時4分、兵庫県丹波篠山市内で

隣接する丹波篠山市内のドラッグストアでも、箱入りマスクには「一家族2点まで、袋タイプは3点まで」の購入制限を設けている。多い時で平日30個、休日で50個ほど売れるという袋入りと箱入りのマスクが、1月29日には500個売れたという。

同店は「(マスクの)発注をかけてはいるが、発注先からの返事がない状態。お客様からの問い合わせがあっても『いつ入るか分からない』としか答えられないのが現状」と頭を抱えている。

両店とも除菌用のアルコール消毒液なども品薄になりつつあるという。

同市内のコンビニエンスストアでは、数日前まで20個ほどあった30枚入りの箱入りマスクが、1月30日時点で残りわずかの品薄状態に。マスク関連の商品に限り、本部への発注が、「上限2点まで」の制限がかけられている。

また、外国人観光客の来店対策として、消毒用アルコールスプレーを店内に常設したり、店員はマスクをつけるなどの対策を徹底している。

ドラッグストアにマスクを買いに来ていた女性(40)は、「都市部に暮らす親戚に送ってやろうと買いに来たが、レギュラーサイズの箱売りはどこも品切れ。近隣市もめぐったが買えなかった」とため息をつき、「まだインフルエンザの季節だし、花粉症の季節もやってくる。早く商品がいきわたるよう、メーカーに頑張ってほしい」と話す。

また別の60歳代の女性は、「大阪に住んでいる孫から、『マスクがどこにいっても売り切れで手に入らない。早く送ってほしい』と言われて」と、品薄となった陳列棚で物色していた。

大阪府箕面市から丹波篠山市内のコンビニに来店した70歳代の夫婦は「宝塚市に住む孫に送るために探しに来た。亀岡市(京都府)の店も見たが、どこもほぼなかった」と話していた。

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