選手に教えられ成長
高校女子硬式野球の全国大会が開かれる「聖地」丹波市に、小学生女子の軟式野球チームを立ち上げて3年目。チームが、運動の楽しさに触れ、友だちを大切にする気持ちを培う場になれればと考えている。
ルールはおろか、球の握り方も、バットの振り方も知らない「野球を見たことがなかった」子たち。試合は、30点、40点を取られ大敗。「いつか絶対に勝つ」気持ちを持ち続け、土・日曜に旧遠阪小(丹波市青垣町)で白球を追った。「技術は足りないが、一生懸命。声を掛け合えるようになった」。成長したチームは昨年12月、創部以来の目標だった「公式戦1勝」を6年生最後の試合で達成した。
最終回の守備で、6年生とプレーするのが最後という思いと、「勝てるかもしれない」緊張感から、選手が次から次へと泣き出した。「こんなに泣くチームがあるか」と檄を飛ばした自身も感動に震えていた。「勝ち負け以上にチームワーク、友情の素晴らしさを感じた」
学童野球の指導歴は17年。男子を教えていた頃とは、指導者と選手の関係性が違うと感じている。「男子は監督が言うことであれば、納得できていなくても『ハイ』と返事するようなところがあったが、今の選手は、友だち感覚。『分からない』とはっきり言う。距離感が近いのも悪くない。一つひとつ分かるまで確認して進めていけるので、お互いの成長になる」
4月から始まる今季は、新型コロナウイルスの影響で、部員勧誘の体験会が開けずにいる。6年生4人が卒業すると、チームは8人。「みんな初心者からのスタート。新しいことを始めたい子は『丹波ベリーエース』で検索を」。46歳。