兵庫県丹波市内で7月、車のエンジンルームに下から子猫が入り込み、保護される案件が2件あった。猫を保護したNPO法人「たんばコミュニティハブ」の岩間里美理事長(48)によると、寒い時期には起きやすい事例といい、「雨続きで肌寒かったのが関係したのかも。立て続けにあったので、注意を呼びかけていきたい」と話している。
「猫バンバン」で確認して
1件目は、神戸方面から来ていた観光客の車。レストランで昼食を取っていた40―50分の間に入ったとみられる。鳴き声に気付いたドライバーが近くの整備工場に駆け込んで保護された。
2件目は、地元男性の車。朝6時にこの子猫が外で目撃されており、出庫までの約2時間のうちに潜り込んだとみられる。目的地まで往復で20分ほど車を走らせたが、幸いにも無事だった。ボンネットを開けたときはバッテリーの上にうずくまっていたという。
丹波市内で自動車販売・整備業を営む男性は、「猫が入っていたケースはないが、ネズミが入っていた車を修理したことは何度かある」。やはり寒い時期だったそうで、ヘビがエアコンのダクト内に入り込んでいたこともあるという。
市内の動物病院の獣医師によると、「冬は年に2、3件あるが、夏はあまり聞かない。今回は偶然に入ったのかも」とのこと。「飼い猫は暖をとるのにもっといい場所があるし、野良猫の母親から生まれた子猫も警戒して入らない。少しは人に慣れているような野良の子猫に起きると聞いている。ボンネットに足跡が付いていれば、入り込んでいる可能性もあると注意するしかない」と話していた。
日産自動車は、自動車のエンジンルームやタイヤの間に入り込んだ猫を逃がすためにボンネットを叩くことを「猫バンバン」として提唱し、ロゴも製作している。