「一球入魂」ならぬ、「二球入魂」―。兵庫県丹波市立青垣中学校で12日、体育大会あり、新型コロナウイルス感染対策として、生徒が自身で縫ったマイボールを2球ずつ投げる、一風変わった玉入れが行われた。「一球目」「二球目」の合図に合わせ、一斉に玉を投げ得点を競った。
無数の玉を転がし、制限時間内に入った数で競う通常の玉入れでは、誰が触ったか分からない玉を拾って投げ続けることから、「1人2球」と決め、全校生133人が家庭科の授業で縫った。布のサイズ、中に詰める樹脂ペレットの重量もそろえ、公平を期した。
生徒は玉を持って入場。3年生は、自分の名前を書いた。かごを取り囲むように自分が狙いやすい位置に立ち、「一斉のーで」と呼吸を合わせて一気に投げ、うまく入ると手を叩いて喜び、外しても、顔をくしゃくしゃにして笑っていた。
田野栞里さん(3年)は、「これまでは入ればいいや、とどんどん投げていたけれど、2球しかないので気持ちを込め集中して投げた」と言い、山田滉君(同)は「超難しい。緊張で手が震えた」と頭をかいた。
今大会は演技・競技を半減させ午前中のみとし、大縄跳びは一度に飛ぶ人数を減らす、応援合戦を行わないなど、感染対策に気を配って実施した。
荻野圭裕校長は、「新型コロナの影響で開催が危ぶまれたが、できることを精一杯やりたいという生徒たちの思いを受け、規模や時間を縮小し、今までと違う形で実施した。制約があるなかで、大会を成功させようという生徒の思いは、例年より強いと感じた」と生徒のがんばりを讃えていた。