障がい者が民家に宿泊し、親元から離れて過ごすことで自立につなげる支援をする短期入所施設「ふぁみりー」が、兵庫県丹波市春日町で開所した。長年、障がい者の支援に携わった竹田京さん(62)が管理者を務め、自宅をリフォーム。自身の子どもらも運営に携わり、「ただいま」「行ってきます」と言って利用できる家庭的な雰囲気を目指している。
同県立氷上特別支援学校の目の前。知的、身体障がいがある小学生以上を対象とし、同校の児童、生徒らの利用を想定しているが、成人も受け入れる。子どもたちには将来の自立に向けた「お泊り訓練」としても利用でき、保護者らが体調不良で子を見られないといったケースも受け入れる。
4人部屋と2つの1人部屋があり、車いすで入れるトイレのほか、風呂もリフォームした。夕食、朝食を提供し、スタッフを含めみんなで食卓を囲み、セカンドハウスのような温かい雰囲気で一晩を過ごしてもらう。
運営会社「ひで」は長男の光一郎さん(35)が代表に就いた。社員や調理師、介助員らで切り盛りする。光一郎代表によると、短期入所に特化したサービスを提供する「単独型短期入所施設」は、丹波市にはないという。
竹田さんは、夫ら家族が他界し、さみしくなった分、広くなった自宅を活用し、長年の経験を生かして障がい者支援に加えて地域貢献にもなればと始めた。光一郎代表は「利用者の自立を支援するとともに、保護者のゆとりにつながれば」と語る。
竹田さんは「利用する人が笑顔になれる場にしたい。抵抗なく泊まることができる雰囲気をつくりたい」と話している。
定員6人。利用は午後3時―翌日午前8時半。費用は食事代などの実費1500円と、障がいの区分で変わる利用料の1割。日曜休み。