旧成松町から沼貫方面へ数百行ったところを、 右折して行ったところにある神社。 創建時期は不詳。 社殿の規模の割には、神社林が広く、大きい。 あまり急でない参道を登っていく。 本殿の前面左右は言うに及ばず、 社周辺で紅い霧島ツツジがシーズンには得も言われぬ美しさをかもし出し、 最近では、 多くの見物客が繰り出して人気のスポットとなっている。
しっかりした神社の正面向拝に竜の彫刻、 その頭上に力士がひとり唐破風の梁を支えている。 梁の木鼻には、 対になった唐獅子や象の聖獣、 さらにその奥には、 多数の長い首だけの竜の彫り物がある。 また、 手挟 (たばさ) みのところには菊の華、 脇障子には松に隼、 蟇股 (かえるまた) には中国の仙人伝説の人物も彫られている。
菊の華の側面には、 さらに皇室の家紋が見られる。 明治末期か大正年間に8代目中井権次正胤によって彫られたものだろう。
元高校教諭 岸名経夫