創建時不詳。 祭神、 手力男命。 木花開耶姫命。 境内は宮山の中腹、 標高140の所にある。 集落のはずれから旧道の坂道をかなり登った所で、 静謐な雰囲気だ。 神社右手には稲荷神社が鎮座。 天保13年 (1842年) に本殿が再建された。
ここにも、 なかなか立派な彫り物がしつらえられている。 中央の向背には定番の竜の彫刻が目に入る。 裏面には朱色で鮮やかに 「彫り物師、 丹州栢原住人、 中井権次橘正貞」 とある。
兎の毛通しには、 今にも飛び立たんばかりの鳳凰がいる。 木鼻には、 唐獅子と象の霊獣。 その他の空間には、 鶴と亀の長寿を記念する鑿(のみ)の冴え鋭い彫刻が目に入る。 ただ残念なのは、 本来屋根の上部にあるべき、 獅子が噛みつく様子を表した 「獅子噛」 が、 社の階段に放置されていたことだ。 知恵を絞って本来のあるべきところに戻してほしい。 「獅子噛」 が望んでいるようだ。
元高校教諭 岸名経夫