曹洞宗。 文禄元年 (1592)、 氷上郡御油の圓通寺の末寺として創建。 福知山藩主朽木公の菩提寺でもある名刹である。 山門を入って伽藍の大きさに驚いた。 屋根瓦は本葺である。 明治16年の火災により焼失後、 20年から10年を要して再建された間に、 彫り物もしつらえられたと思われる。
本殿の虹梁の狭い空間に竜の彫り物が目に入る。 木鼻にはそれこそ骨太の唐獅子と獏が左右阿吽の呼吸で辺りを睨んでいる。 彫り物については、 むしろ山門が多彩である。 山門自体が城門を思わせるような頑丈な作りである。 福知山の大呂の天寧寺から譲られたものだそうだ。 ここの木鼻には誠に垢抜けした唐獅子と象が設けられ、 特に唐獅子は体を少し左右に振って愛嬌を振り撒いているようである。 上部には巨大な獅子噛みが左右2頭、 外部を睨んで邪気を追っ払っているようだ。 中井一統、 中でも8代目中井権次正胤や中井清次良正実の合作のようだ。
元高校教諭 岸名経夫