兵庫県内陸部の丹波市で、遊び心からビニールハウスで南国の果物を育てている上田忠雄さん(79)=同市柏原町=が初物のバナナを収穫し、味わった。「柏原でバナナが収穫できることを証明できた。次はパイナップル」と張り切っている。
栽培4年目の1本の株に初めて花が咲き、房が付いた。大きいもので12センチほどに育った7本を青いまま収穫。リンゴと一緒に箱に詰め、約1カ月追熟させた後に味わった。「アイスクリームバナナ」という品種で、濃い味がしたという。
栽培3年目の株にも続けて花が咲き、こちらは現在成長中。約60本が鈴なりになった。「こんなになるなんて思わなかった。『育つはずないやろ』と周りの農家にはみな笑われていたので」としみじみ。
ハウスなしの露地でバナナが育つかどうか、実験を続ける。ハウスの中では、ドラゴンフルーツ、マンゴー、パイナップル、パパイヤの幼木が育っている。
「本を読んで勉強せんならんことも多いけれど、実際に味わえたことで、面白くなってきた」と、いたずらっぽい笑みを浮かべた。