コンビニを利用するような感覚での病院受診を控えることで医師の負担を減らし、 地域の医療資源を守ろうと活動する県立柏原病院の小児科を守る会 (丹生裕子代表) が21日、 ホームページ(http://www.mamorusyounika.com/) を立ち上げた。 会の活動を広く知ってもらうと共に、 全国から寄せられる問い合わせの窓口にしようというもの。 全国の小児科医や医師不足に悩む自治体関係者、 知人の医師を介して会を知った舛添要一厚生労働大臣から激励メールが届いており、 メンバーは反響の大きさに驚いている。
内容は、 活動の柱になっている、 コンビニ受診を控えよう、 かかりつけ医を持とう、 お医者さんに感謝の言葉を伝えよう、 の 「3つのスローガン」 の紹介、 昨年4月20日の設立以降の一連の活動を写真付きで振り返った 「あゆみ」、 病院受診の目安となるチャート図がダウンロードできる 「情報コーナー」、 子育てのあれこれをメンバーが交代で執筆する 「ブログ」 など。
このうち、 「3つのスローガン」 のコーナーでは、 「夜や休日など通常の診療時間外に診察を受ける 『コンビニ受診』 が医師を疲れさせる一因になっている」 「子供の病気などについて正しい知識を持ち、 受診すべきかどうかを判断できるようになることが大切」 「ちょっとした怪我や病気ですぐに柏原病院を受診するのではなく 『かかりつけ医』 を持ち、 まずそこで受診」 「日頃からお医者さんへ 『ありがとう』 の気持ちを伝えることも大切」 と、 3つのスローガンが密接に関わりあっていることを紹介し、 「安心して暮せる地域づくりのために、 一緒に考えてみませんか」 と、 投げかけている。
21日に開設したところ、 たちまち全国の小児科医に広まり、 小児科以外の勤務医、 開業医から、 続々と激励のメッセージが届いている。 1日平均1000件以上のアクセスがあるという。
ホームページを手作りした同会事務局の岩崎文香さん (春日町黒井) は、 「ホームページを持つことで、 多くの人に、 医師を大切にすることが医療を守ることにつながるというメッセージが伝われば。 さらに内容を充実させていきたい」 と話している。
同会のような、 住民側が適切な受診を呼びかける例は全国的に珍しく、 全国で同時発生している医療崩壊の波の中で、 活動が注目を集めており、 昨年後半から大手メディアが柏原病院と 「守る会」 詣でを続けている。 現在も取材待ちのテレビ局、 新聞社が数社ある。 さらに、 医師不足に直面している県内外の自治体関係者や住民からの問い合わせが相次いでおり、 対応が課題になっていた。
「これぞ医療崩壊くいとめる運動」
舛添大臣からメール
舛添大臣から24日に届いたメールには、 「これこそが、 地域医療の崩壊をくいとめる住民からの大きな運動だと、 尊敬申し上げます。 私も厚生労働大臣として、 医療体制の再構築に努力していますが、 このような運動が各地に広がるように、 私もがんばります。 産科、 小児科の現状は危機的です」 とし、 「機会があれば、 柏原病院お貴会の視察にも出かけたいと思っています」 と結び、 柏原病院小児科の酒井國安院長、 和久祥三医師にこのメールを転送してほしい旨が記されている。
守る会のホームページができたことを、 「福岡小児科勤務医メーリングリスト」 で知った福岡市の医師が、 知人で、 大臣と医療政策の勉強会をしている東京都内の大学の准教授にメールで知らせ、 大臣が活動を知るところになったという。
守る会の丹生裕子代表は、 「大変励みになります。 住民としてできることを私たちもがんばるので、 大臣だからこそできる医師不足対策に取り組んでほしい。 コンビニ受診を控えようとしている、 丹波のお父さん、 お母さんの努力をぜひ視察してほしい」 と話していた。