柏原赤十字 医師増員で患者数も増加傾向へ

2008.09.03
丹波の地域医療特集

 柏原赤十字病院 (玉田文彦院長) の内科医が増員された今年4月以降、 同科の外来、 入院患者数、 また、 同病院内に設置した 「内視鏡センター」 の稼動件数ともに増加傾向に転じ始めている。 玉田院長は 「医師が増えたことにより、 余裕をもって診察にあたれるようになった。 足らずは病院間の連携を深めながら、 引き続き、 特に外科、 整形外科医の確保に努めたい」 と話している。
 4月に日本消化器内科学会専門医の蓮尾直輝医師が、 7月に認定内科専門医 (循環器) の上山知己医師が着任した。
 これまで外来患者数は、 月に延べ約1600人台 (日平均約70人) で推移していたが、 今年6月は同1809人 (同78人)、 7月は同1932人 (同80人) に増加。 入院患者数は、 玉田院長が就任する前月の昨年6月、 延べ789人 (同27人) を底に、 除々に増加し、 今年6月には1354人 (同45人)、 7月には1460人 (同47人) となり、 8月は日平均50人を超えることが確実になっている。
 内視鏡センターの稼動件数では、 内視鏡を得意とする蓮尾医師が就任した4月から7月末までの3カ月間に、 同センターで検査を受けたのは305人 (外来227、 入院78)。 2007年度1年間の実績は537人 (外来418、 入院119) だった。 内視鏡手術の実施件数は、 2007年度が41人だったのに対し、 今年度は4―7月だけで96人。 今年度は、 検査、 手術を含め、 昨年度の2倍を超える1500人を見込んでいる。
 また、 内視鏡手術・処置を必要とした96人のうち、 56人が悪性と判明。 玉田院長は 「消化器がんの早期発見、 早期治療が目的。 密度の高い診断能力が、 市民に受け入れられ始めたのではないか」 と話す。
 経営面でも4―6月期において、 昨年同期比で約2800万円の改善。 年間2億5000―3億円ペースで膨らんでいた単年度の赤字幅が、 今年度は改善される見込みだ。

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