丹波市自治会長会 医師充実求め署名活動

2008.10.28
丹波の地域医療特集

 丹波市自治会長会 (会長=藤原敦実葛野報徳自治振興会長) が、 井戸敏三県知事と、 神戸大学医学部長、 同大医学部附属病院長に、 県立柏原病院の医師の充実確保を求める署名を、 各自治会を通じて回している。 「市民の不安や医師充実への期待を知事や神戸大に伝える」 と、 5万筆を目標としている。 一方、 「署名で医師が増えるのか」 と効果を疑問視する声もあがっている。
 署名は、 柏原病院の医師不足による診療機能の縮小で、 市民は不安の日々を送っているとし、 医師の充実確保を強く要望。 「安易な病院受診を控え、 学習会を開くなど、 地域医療を守る風土づくりに努めている」と、市民の取り組みも盛り込んでいる。
 藤原会長は、 「市長の要請にも、 知事は 『さまざまな意見があり、 住民は割れている』 と考えているようだ。 市民の声を届ける5万筆の署名は、 知事にも大学にとっても重いはず。 署名は、 知事が大学と話をする時の後押しにもなる。 市民全ての声を届けないと大変なことになる」 と協力を呼びかける。
 神戸大医学部関係者は、 「行政と教育機関の大学を混同しているのではないか。 提出しても、 自治会として認識が足りない、 で終わるのでは」 と冷ややかだ。 大学の認識は、 「県から委託を受けて県立病院を運営しているのではない」 だ。
 昨年、 同じ要望内容で、 小児科を守る会が5万5000筆を超える署名を、 柏原町総代協議会らが6000筆の署名を提出したが、 効果はなかった。 守る会の丹生裕子代表は、 「1年前と事情が変わるほど県の医療提供体制は改善されたのだろうか」 と戸惑う。
 開業医で、 署名用紙に記されている 「学習会」 で講師を務めることが多い丹波医療再生ネットワークの里博文代表は、 「丹波が全国の医療者から注目されているのは、 『医師を送れ』 と要求するのではなく、 医師が働ける環境を整えようという住民運動をしてきたからだ。 署名がかえって悪い結果にならなければいいが」 と懸念している。

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