子供の「知りたい」誘う
昨年10月から、丹波市の地域おこし協力隊として、生物多様性を保全していくための活動を展開している。自然観察やドングリを使った遊びなど、丹波の自然の魅力を伝える多彩なメニューを用意。中でも感度が高い幼児期の子どもたちに、「丹波の自然って楽しい」「もっと知りたい」という気持ちを引き出す体験の場づくりに力を入れている。
「見つけた虫や植物の名前を教えることはありません。教えてしまうと、そこで子どもたちの思考が止まってしまうから。なぜバッタの脚はとげとげしているの、なぜこの葉っぱは服にくっ付くのかな、と興味を誘うようにしています」とほほ笑む。
東京で幼児と関わる仕事をしていたが、「田舎のコミュニティに飛び込み、地域の魅力を発信したい」という思いや、より良い子育て環境を求め、夫や幼い息子と共に移住した。三田市出身だが、祖父母が青垣町神楽地区で暮らしていたため、丹波市はなじみの土地という。
協力隊の定期的な取り組みとして、毎月土曜日に、柏原と氷上の子育て学習センターを利用している親子を対象に、自然体験イベントを開催しているほか、活動拠点としている青垣いきものふれあいの里の出前授業や年間行事のサポートなどを行っている。市内の環境団体の情報を集めたホームページづくりも計画中。
「自然への知識はまだ浅いですが、専門家ではないからこそ一般の方々に共感してもらえるアプローチができるんじゃないかと。私自身が面白い、楽しいと思ったことを純粋に伝える。そして、自然や環境に関心がある人と人とをつないでいけたら」。33歳。