柏原病院 入院医療費体系が変更

2009.07.02
丹波の地域医療特集

 県立柏原病院 (大西祥男院長) の入院医療費支払い制度が、 7月1日からDPC (包括支払い制度) に変わった。 従来の積み上げ方式 (出来高) から、 包括部分と出来高部分の2階建てになる。 予定入院の場合は、 検査を外来で行うほか、 常用薬は、 かかりつけ医に処方してもらい病院に持参することになる。 また、 外科で入院ついでに皮ふ科で水虫を治療するといった他科受診も、 原則できなくなる。 患者負担は、 疾患によって、 増減どちらもある。
 入院費、 検査、 注射、 投薬、 処置などは、 従来は個々に積み上げていたが、 これが病名によって 「1日あたりいくら」 (包括部分)になる。手術、リハビリ、 胃カメラなどは、 従来どおりの出来高で、 出来高と包括を足したものが入院医療費になる。
 包括部分の医療費は、 病名によって異なり、 その病名についての医療費だけを、 病院は診療報酬とすることができる。 高血圧でかかりつけ医で定期的に薬をもらっている患者が胆石で手術するケースを例にとると、 病名は 「胆石」 であるため、 高血圧に対する薬を病院が出した場合、 病院の持ち出しになる。 「包括部分」 に含まれている検査を入院後にすると、 病院の持ち出しが増加する。 さらに、 例えば白内障の手術で眼科に入院した人が、 入院のついでに皮ふ科で水虫を治療するような、 他科受診についても、 診療報酬を請求できず、 病院の持ち出しとなる。
 厚生労働省が進める制度で、 看護基準 「10対1」 や、 カルテ管理が適切にできていることなどの要件を満たせば、 同省から対象病院に指定される。 急性期医療を行う病院は、 診療報酬上の理由でDPCに移行しなければ、 経営がさらに悪化するとみられており、 全国の急性期医療を担う病院の半数以上がDPCに移行している。 県立病院も同制度の移行を済ませており、 近隣でも、 三田市民病院や福知山市民病院が導入済み。

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