丹波「里山の恵み」を紹介 はく製や標本ずらり ジビエや薬草を解説 

2022.10.05
たんばのお出かけ情報地域自然

哺乳類の標本などがずらりと並ぶ企画展会場=2022年9月29日、兵庫県丹波市氷上町石生で

兵庫県丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム(同市氷上町石生)で秋季企画展「丹波 里山の恵み」が開かれている。ジビエ(野生鳥獣肉)や薬草など、古くから丹波地域で親しまれてきた里山資源について、はく製や標本、映像、解説パネルなどで紹介。丹波市の豊かな里山の恵みと、野生動物とのあつれきや共存について学べる。21日まで。月曜休館(祝日の場合はその翌日)。観覧無料。

哺乳類のはく製は15体ほど展示。ツキノワグマ、シカ、イノシシ、キツネ、タヌキ、テン、イタチなど在来種のほか、ハクビシン、アライグマ、ヌートリアといった外来種も紹介している。獣害を引き起こすシカやイノシシ、サル、アライグマなどについてはパネルで生態や被害対策について詳しく解説している。

県内各地のけもの道に自動撮影カメラを仕掛け、野生動物のいきいきとした姿を映した動画は8分間。隊列をつくって森を闊歩するシカや、林床でじゃれ合う2匹のテン、キツネが子どもに給餌する貴重なシーンも収められている。

薬草は、江戸時代から同市山南町和田地域で栽培が盛んに行われてきた。企画展では、現在、最も栽培に力を入れているトウキ(当帰)をはじめ、オウレン、ドクダミ、シャクヤク、ベニバナの5種類の標本を並べ、パネルで解説している。薬草を調合する際に用いる薬研、乳鉢、はかりなどの道具も実物を展示している。

16日午後1時半―3時半、関連ワークショップを開く。兵庫県立大学教授で野生動物保全管理の研究者、横山真弓さんら専門家数人を講師に迎え、里山に生息する哺乳類の食性や生態を学び、獣害問題も考える。また、シカ肉の有効利用に取り組むNPO法人里山グリーンネットワーク(尼崎市)のメンバー、藤本裕昭さんが手掛けるシカ肉にトウキ葉を加えたコロッケを試食し、里山資源の活用を学ぶ。参加費300円(入館料含む)。野生動物スタンプのバッグを作る場合は別途200円。

同館館長補佐の朴侑希さんは、「野生動物や薬草に興味を持っていただき、青垣いきものふれあいの里や薬草薬樹公園など、市内の他施設に足を運んでもらって学びを深めるきっかけにしてもらえたら」と話している。

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