子育て支援など多彩な事業を展開する兵庫県丹波篠山市味間新のNPO法人「里地里山問題研究所」(通称・さともん)が29日、同法人事務所の裏山「おとわの森」で、生き物観察会を開いた。同県内の都市部から親子6人が参加。中腹地点にある池で生息している生物を調べた。
同市の「生物多様性促進活動補助金」を活用し、地域の豊かな自然環境に触れ、魅力を感じてほしいと企画。川井正幸さん(47)ら同法人スタッフ2人と、同法人が主催するワークショップなどで指導役を務める金井一郎さん(68)=同市味間新=が案内した。
一行は、コケが鮮やかに生える渓流沿いの登山道を進み、30分ほどかけて「音羽池」に到着。参加者たちは、スタッフが前日に仕掛けていたモンドリや、タモ網などで水生生物の捕獲に挑戦した。女性スタッフも、寒さに震えながら池の中に入って生物を探すなど奮闘。絶滅が危惧されるゲンゴロウやフナ、マツモムシ、ミズカマキリを確認した。
宝塚市から参加した小学3年生の男子児童は「生き物が好き。魚がいるかどうかワクワクした」と話し、父親(41)は「好きなものを五感で体感できる。今の子どもにとって一番良い体験なのでは」とほほ笑んだ。