「紙の気泡緩衝材」開発 環境負荷減で注目の包装紙 緩衝力やデザイン性追求

2022.12.18
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エアーリングペーパーを手にする矢本社長=兵庫県丹波市柏原町柏原で

紙加工業、柏原加工紙株式会社(兵庫県丹波市柏原町柏原、矢本雅則社長)が、紙製の気泡緩衝材を開発し、「エアーリングペーパー」の名称で、来年1月から販売する。脱プラスチックを目指すSDGsの流れを受け、環境負荷を減らす包装紙として注目が集まっている。同商品は、未ざらしクラフト紙の表面にドーナツ型の凹凸を付ける加工をしたもの。一般的なクラフト紙を使うことでコストを抑えた。物流用の包装紙としての用途を主に想定している。

「紙の緩衝材はないか」との問い合わせを多く受けるようになったことが開発のきっかけ。「今までにない形状で、緩衝力の強い緩衝材が作れないか」と、1年ほど前から研究を始めた。国の事業再構築補助金を活用し、凹凸加工を行う新たなエンボス機を設計。3Dプリンターで金型の試作を繰り返し、緩衝力の強さ、包みやすさ、デザイン性などを追求し、商品化にこぎつけた。

ドーナツ型の凹凸を付けた紙製緩衝材「エアーリングペーパー」

10月には、東京ビッグサイトで行われた東京国際包装展に初参加。会期3日間を通じて大好評で、大手メーカーからも問い合わせが来ているという。

1メートル角のサイズで、重量が75グラム、100グラム、50グラムの3種類があり、1メートル×50メートル巻を3000―4000円で販売する予定。包装する中身に合わせて厚さを選ぶ。

矢本社長は「『エアーリングペーパー』は、経済性と社会性を両方持っており、将来性が期待できる。環境に対するコンセプトをしっかり持っている会社にまず使ってもらい、全国に広げていきたい」と話している。

新たに開発したエンボス機

同社は、従来の技術にデザイン性をプラスした「teshio paper」シリーズを展開するなど、挑戦を続けており、「ひょうごクリエイティブビジネスグランプリ」で知事賞を、「ひょうごNo.1ものづくり大賞」で特別賞を受賞するなどしている。

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