冬の夜空に「フライングランタン」を飛ばし、花火を打ち上げる兵庫県丹波篠山市福住地区の恒例イベント「ふくすみ雪花火」(福住地区まちづくり協議会主催)が、4日午後6時から箱谷二之坪公園(二之坪)で開かれる。新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。今回から、20―30歳代の若手有志でつくるグループ「ツギテ」が運営を担う。同地区を拠点に活動する関西国際大学の学生が地区内で伐採した竹を生かして製作した「竹あかり」の点灯もあり、若い力で幻想的な光景を演出する。入場無料。
フライングランタンは、午後8時から飛ばす。ひも付きのランタンを参加者が手に持ち、灯火した後、5メートルほどの高さまで上げる。参加は先着50組で、1組500円。
花火は同8時半から約180発を打ち上げる。竹あかりは、公園近くの熊野新宮神社の境内に並べ、同5時半ごろから点灯する。屋台は、地元の店を中心に7店舗が出店予定。パンやコーヒー、地ビール、ロイヤルミルクティー、粽、豚汁、揚げパン、カレーなどを提供する。
雪花火は2009年に始まり、13回目。前回までは、まち協内のグループで、福住地区の次代を担う世代の住民らで構成する「2030プロジェクト」のメンバーが運営していた。
しかし、自治会長に就任するメンバーが出るなど、負担が大きくなってきたことから「後継者を育てたい」と、同市職員で、福住地区出身の中森恵佑さん(36)に若手への引き継ぎを持ちかけた。中森さんは「自分たちの世代が継がないと、イベントが続かなくなる」と承諾。福住にゆかりのある若手6人で「ツギテ」を結成した。
全てが手探りの状態ながら、まち協会員や「2030」のメンバーら〝先輩〟からアドバイスを受けながら準備を進めてきた。「まち協の皆さんが僕らの意見も尊重してくれるのでやりやすい」と中森さん。「地域の人に来てほしい。移住された方や高校生ら若い人たちとの接点にもなれば」と願う。
ツギテのメンバーで、祖父母が福住地区で暮らす新藤元太さん(30)は「これまでのやり方を踏襲しながら、次につなげていくための一つの経験に」と話す。福住地区在住の降矢結さん(26)は「ランタンの光のように、温かい気持ちになってもらえたら」と来場を呼び掛けている。小雨決行。