ジュエリー職人 三栁竜子さん(丹波市)

2023.02.26
たんばのひと

三栁竜子さん

新天地でジュエリー鍛造

カナダ・ケベックシティーから昨年、柏原城下町の古民家に移住し、ジュエリー工房兼店舗をオープン。同じくジュエリー職人の夫、ピエール・ジンマーマンさんと机を並べ、鍛造製法でデザインから完成まで手掛けている。

京都市伏見区の出身で、中学生の時、彫金教室に通ったのがジュエリーとの出合い。大阪外国語大学でフランス語を専攻し、パリに留学して通訳を目指していた時も現地で制作を続けていた。卒業後、「ジュエリーを仕事にしたい」との思いが募り、インターネットで見つけて弟子入り志願したのが、ピエールさんの父、ミシェルさんの工房だった。

11年間、一緒に働く中で、完璧を求める姿勢を受け継いだ。一般的なジュエリーの製法は、溶かした金属を型に流し込む「鋳造」。金属の塊を温めてローラーで延ばし、たたいて鍛える「鍛造」は、鋳造より丈夫で、1点ずつ風合いの異なるジュエリーに仕上がる。「手間を惜しまないことにかけては、日本の誰にも負けない」

日本へ拠点を移したのは、コロナがきっかけだった。街がロックダウンされ、仕事ができなくなる中、二人で新天地を求める気持ちが強くなり、「工芸が盛んな日本で、より良いものづくりにチャレンジしてみたい」と決心。インターネットであちこち物件を探し、「たんば_移充_テラス」のオンライン面談で柏原と縁ができた。

店名は「Pierre etOkustat(ピエール・エ・オクスタット)」。「『Okustat』はローマ字で『竜子』の逆さです」。夫婦で毎朝、5、6キロの散歩を楽しんでいる。41歳。

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