つながりを大切に
丹波篠山市の旧雲部小学校を活用した里山工房くもべで不定期に開催している、ハンドメイド雑貨などを販売する「くもべマルシェ」が人気を集めている。母校でもある同施設内で、自身もインテリア雑貨、アクセサリーなどを扱う工房「K’s GARDEN」を経営。各地のマルシェに出店する中でつながった人脈を生かし、にぎわいを創り出している。
小、中学校の家庭科の臨時講師を務めていたが、重いヘルニアを発症し、車いす生活を経験。家にいることが増え、得意の布小物を作り始めたことをきっかけに世界が広がった。都市部で開かれるマルシェにも出店するようになったが、出店準備は骨が折れる。ふと「ここ(里山工房くもべ)でやったらえーやん、と気付いた」と笑う。
有志4人で実行委員会を結成。2021年5月に第1回を計画し、まずは出店者を集めようと、交流サイト(SNS)でマルシェに懸ける熱い思いを長文で発信した。新型コロナの感染拡大で延期が続いたが、その度に「コロナが明けたら必ずやります」と再発信。「せっかくできたつながりを大切にしたかった」と話す。第1回が開けたのは22年9月。今年5月で4回を数えた。地元まちづくり協議会のバックアップもあり、来場者数も伸び続けている。
「お店屋さんごっこ」をヒントに、物作りや人とのコミュニケーションがリアルに経験できる機会になると、つながりをたどり、小学生や高校生の出店も実現。「開催するたびに何か新しいことを取り入れたり、他の場所でもマルシェを開いたりしたい」と、バージョンアップに向け、あれこれと構想を練っている。次回は9月2日。45歳。