イチゴで地域活性化へ 加工品開発に体験も 「持続可能な仕組み構築を」

2023.09.06
地域

開発した加工品を手にする「ゆめの樹」の能勢社長(左)と、社員の中井健さん=兵庫県丹波市春日町野上野で

地域資源を活用し、活性化を図る兵庫県丹波市春日町野上野の自治会法人「株式会社ゆめの樹野上野」と同まちづくり協議会が、地元にある同市クリーンセンターそばのガラスハウスで栽培する夏イチゴと、同市特産の丹波大納言小豆などを組み合わせた加工品開発や、スイーツ作り体験の提供を始めた。同法人は「モノ消費だけでなく、コト消費につなげたい。持続可能な仕組みをつくり、地域を活性化させたい」と力を込める。

加工品は、3商品を開発。「苺のコンポートジャム」(200グラム、税込み1080円)は果肉を残し、素材本来の味が楽しめる。「苺のアイスサンドケーキ」(1個同380円)は、イチゴムースの間にイチゴジュレを挟み、サブレ生地で挟んだ冷凍ケーキ。「苺ジャム入り餡トースト」(230グラム、同1080円)は、大納言小豆の粒あんとコンポートジャムを組み合わせた。

野上野にある和洋菓子店「夢の里やながわ」に加工、販売を委託している。

スイーツ作り体験は、ゆめの樹野上野でできる。イチゴ大福作りは、参加者が収穫したイチゴと、大納言小豆、丹波産もち米を使う。パティシエの指導のもと、「イチゴようかんゼリー」作りも体験できる。

かつてナシ狩り園があり、栄えた同集落には、果樹栽培の高い技術を持つ人が多い。市が設置した、国内で初めて焼却熱を利用する「バイナリー発電」の仕組みを導入した冷暖房完備のガラスハウス(約125平方メートル)の活用につなげるべく、集落に息づく技術を継承しようと3年前からイチゴの栽培に着手。同市の若手生産者グループ「TEAM TAMBA ICHIGO―ICHIE」と共に栽培に励む。

同市と包括連携協定を結ぶ関西国際大学の学生のアイデアも参考に、「おいしいだけでなく、若い人向けに〝映える〟」商品の開発を進めた。スイーツ作り体験では、イチゴと特産の相乗効果で「丹波」のブランド力向上を狙う。

同法人の能勢均社長(68)は「地域活性化の起爆剤に」と期待している。

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